個人年金保険の定額型と変額型の違い

国民年金や厚生年金など、国が運営する年金システムに対する不安が国民の間に広まっています。

そのためか、老後の生活資金を公的年金だけに頼らずに、自身の手で必要な金額を貯えようとする人が増加しています。
その手段の一つが、「個人年金保険」です。

個人年金保険には大きく分けて、「定額型」と「変額型」の2種類があります。

定額型

契約時点で負担する保険料の金額と、将来に受取る年金額を決めておくのが「定額型」です。

保険料の支払方法としては、毎月支払っていく月払いが一般的ですが、保険料が安くなる年払いや、契約時に一括で全額を支払う一時払いなどもあります。
支払方法の中では、一時払いが最も返戻率が高くなります。

年金の受取方法としては、主に以下の2つがあります。

  1. 5年間や10年間などと決めた期間だけ受取る「確定タイプ」
  2. 生きている限り受取る「終身タイプ」

定額型のメリットは、予め年金額が確定していることです。
老後資金としての収入額が確実なため、ライフプランが立てやすくなります。

ただ、契約時に年金額を確定させるため、低金利の時に契約すると、受取れる年金額が少なくなるというデメリットがあります。
同様に、将来インフレになると、年金額の価値が目減りすることになります。

変額型

保険料の運用における収益によって、将来受取る年金額の変動するタイプが「変額型」の個人年金保険です。

一般的に、運用する金融商品から利用者が選択することになりますが、場合によっては元本割れする可能性があります。
変額型はいわば、年金機能のある投資信託と言えます。

変額型のメリットとしては、インフレに強いということがあります。
運用収益は景気に連動する性質があるため、基本的に景気が良くなれば運用成績も比例して良くなります。
必然的に、インフレになれば年金額が増額されます。

また、運用期間中の利益に対して税金がかからないため、複利効果で積立利率のアップする可能性があります。

逆に、デメリットとして、元本の保証が無いということが挙げられます。
従って、運用状況によっては年金受給額が払込保険料を下回る可能性があります。

また、契約後も毎年、保険関係費用・運用関係費用・年金管理費用などのコストが掛かります。

まとめ

個人年金保険は退職後の生活に不安を抱かなくて済むように、老後に必要となる資金を準備するための保険です。
個人年金保険のメリットには主に以下の3つがあります。

  • 老後の生活費を年金形式で受け取れる
  • 節税ができる
  • 年金受取前に死亡した場合でも死亡給付金が貰える

また、保険の種類には以下があります。

  • 年金の受取形式や保険の運用方法による違いとして定額タイプと変額タイプ
  • 年金の受取期間や被保険者が死亡した場合の扱いの違いとして確定タイプと終身タイプ