3つの鳶工事
鳶工事は、大昔から既に存在していたと言われています。江戸時代に入ると、冠婚葬祭や祭りをも担っていました。歴史はかなり古いです。
現在の鳶工事は、主に足場鳶・鉄骨鳶・重量鳶の3つに分類されています。江東区にある鳶工事の会社では足場鳶、港区にある会社であれば鉄骨鳶というように、会社によって取り扱っている分野は大きく変わるのです。「建設は鳶に始まり鳶に終わる」というように、建築の仕事において鳶は重要な仕事。もう少し深く掘り下げてみましょう。
重量鳶は重すぎるものを運ぶ
まずは重量鳶。大型の機械や設備を持ち運ぶのが、重量鳶の仕事です。クレーンを使っての作業になりますので、レベルの高い技術が求められます。足場鳶や鉄骨鳶もトン単位の重量を持つ資材を運び入れますが、重量鳶が取り扱うのはもっと大きいもの。場合によっては、数百トン近い物を運ぶこともあります。
取り扱っている物が物だけに、些細なミスが大事故になりかねません。繊細な技術が求められる仕事ですので、機械任せというわけにもいかないのです。
チームで動く鉄骨鳶
次に、鉄骨鳶です。繁華街でのビル建設工事で、見かけたことがあるかと存じます。鉄骨鳶とは、鉄骨鉄筋コンクリートを扱う職人のこと。職人は2グループに分けられ、1グループは地上で資材にワイヤーをくくりつける「玉掛け職人」。もう1グループは、高所で資材を受け取って組立作業をする「取り付け職人」です。
鉄骨鳶の仕事も危険なもので、些細なミスが大事故に繋がりかねません。高所での作業が多くなりますので、安全が何よりも求められる仕事です。
命を守る足場鳶
そして足場鳶です。足場鳶は、工事を担当する職人の命を守るための仕事になります。鳶の仕事は危険と隣合わせ。実際に事故も起きています。
そこで足場鳶の出番。現場の状況をしっかり確認した上で、より安全な方法を取って足場を組み立てます。足場と言えば屋外の組み立てを思い浮かぶでしょうが、屋内で足場を組むこともあります。現場の状況を見て、周囲にも影響が出ずに適切な足場が組めるのがプロです。